ヨーロッパカシノのガイドブックですね。
ヨーロッパカシノの所在地、そのレートやドレスコード、マシンとテーブルの数、敷居の高低、営業時間、その雰囲気・・・等、勝負地の参考図書としては有用。
しかし、実際の勝負の仕方やその様子、張り方・・・等、ギャンブルのハウツーに関しては全く役に立たない。
内容も、金持ちの豪遊記そのもの。
多数掲載されている写真もイメージフォトばかり。
そういう世界に酔いしれたい人用。
稀代の道楽エッセイ
男が何かに嵌まって、昼夜をわかたずその道にはげみ、しかも本人が文章家であると、なんとも素晴らしい「道楽エッセイ」が生まれることがあると思います。過去には開高健の一連の釣り紀行がありました。この浅田さんのギャンブルエッセイは、その流れを汲むものと感じています。
両方に共通するのは、日本人にとっての非日常から見晴らす現代批評が、書き手の七転八倒(釣れない、勝てない)によって少しも嫌味にならないこと、また非日常にそのまま読者を引き込んでくれる巧妙な文章を読む快楽でありましょう。
実に稀有な、世代を超えて読み継がれるべき本であると確信しますが、こうした本はなぜか日本では消えていくのが早い。版元には文庫化はもちろん、永く版を重ねていただきたいと願うばかりです。
引き金
労働を美徳、快楽を罪悪とする考えを否定する作家浅田次郎が、「今こそ遊べよ日本人」を合言葉にヨーロッパ各国のカジノを渡り歩き、自腹で浪費しまくるというとんでもない企画本。 二巻は税金などの問題があってあまり浪費してないので一巻がお薦めです。「金持ちが一人で遊んでる旅行記なんか読みたくない」と言われそうだけど、この本のすごいところは企画の大胆さだけでなく、大金ばらまいてるのにイヤミさが全然ないところにある。 作者の語る人生観と幸福論にはいちいち納得できるし、(高級ジュエリーを買いあさる海外旅行では感じられない)ロマンが溢れまくり。 美しい風景写真も多数収録されてるし、各国のカジノではそれぞれのお国柄が出るので普通に観光ガイドとして読んでも楽しい。 例えばフランス圏のディーラーはフランス語のできない客には見向きもしないし、イギリス人は体裁を重んじる。 そして考える民族であるドイツ人ギャンブラーは、ルーレットの出目を延々記録しながらじっと何かを考えている。(無意味!) 日本版カジノのパチンコと違い、この本に紹介されてるギャンブルは正装必須の大人のたしなみ。人生の喜び。 読んで価値観に風穴開けられるような強烈なインパクトを受ける人は多そう。仕事辞める引き金になった人もいたりして…。
もう一つの読み方
もう一つの読み方として、ヨーロッパの国民性の違いが生き生きと描かれている。メンバーシップ制という建前をとっていながら、実際のところ会員登録を拒否することのないイギリスのカジノを要はもったいぶっているだけと言い放つくだりには、そのとおりと笑ってしまった。
遊べよ日本人
ギャンブルには全く興味がない私ですが、けっこう楽しめました。 浅田氏の軽妙な筆致が冴えるヨーロッパ旅行記としても読めます。 久保吉輝氏の写真もとても鮮やかで、日本にはない色ばかり なので見ていて飽きません。 夢のような非日常への誘いに心躍らされる反面、 日本人であることの不幸を再確認させられます。 そう、日本では労働は美徳、遊びは罪悪。 泳ぎ続けなければ窒息死してしまう鮫のように、 働き続けなければならない宿命を背負った日本人。 たかだかの物質的豊かさの為にあまりにも多くのものを 犠牲にしている日本人。そしてそのことにすら気付かない。 この本は、ふと気付かせてくれます。
ダイヤモンド社
カッシーノ2! アフリカ・ラスベガス編 世界カジノぎりぎり漫遊記―ギャンブル記者、夢の宮殿を巡る (平凡社新書) カジノのイカサマ師たち (文春文庫) 極楽カシノ 魅惑の魔都マカオでバカラ浸け
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